レバレバノン』

最前線にいながら、最前線にいない. そんな摩訶不思議な感覚になる場所. それが戦車の中. イスラエルによるレバノン侵攻の際に従軍したサミュエル・マオズ監督が実体験をベースに映画化し、第66回ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞したこの作品. リアリスティックな映像を見せながらも、戦争の恐ろしさを知ろうとしない世界に強烈な皮肉を見せつけているような映画でした. イスラエル映画といえば、 『戦場でワルツを』 や 『キプールの記憶』 など、欧米の戦争映画とは違った視点から戦争の悲惨さを見せてくれる作品が多いことが非常に印象的です. この映画も戦車の中にいる4人の若い兵士の視点、特にビビりの砲撃手シムリックが見るスコープから見た映像が凄く印象的なんですよね. 例えば道端に転がる瀕死状態のロバの微かに動く鼻や黒い瞳から流れる涙. シムリックの躊躇のせいで命を落とす兵士. 戦車による砲撃で右腕と両足を失った老人が止めを刺される惨状. 5歳の娘を失った母親が火のついた服を剥ぎ取られ半裸になってしまう光景. このどれもが最前線で兵士が見た悲惨な映像でありながら、戦車の中という守られた空間から見た映像のためか、どこか戦場カメラマンが撮ってきた映像にも見えてしまうという不思議さ. つまりスコープからの映像を見せることで最前線のリアルな悲惨さを描くと同時に、リアルでありながらそのリアルさが薄れてしまうTVで見る映像のようにも見せる. これが平和ボケした人たちへの皮肉をも描いているように思えてくるのです. ナイキ ズーム コービー 最前線にいれば、常に死を覚悟しなければならない. でも戦車という守られた空間の中にいるとその必要が薄れるため、指揮官なのに決断力のないアシ、自分勝手なヘルツル、臆病な操縦士イーガルのような、覚悟の出来ていない人間ばかりになる. そんな戦車の中の人間関係と平和ボケしている世界の人間関係に大差はないのではないか. 世界は本当に戦争を止める覚悟があるのか. そんな怒りにも似たメッセージを感じると共に、戦車の外から初めて戦車そのものを映す、あのひまわり畑に場違いな戦車がある映像. 戦争は何のために起こすのかという反戦の意味合いと共に、全て下を向いているひまわりがまるで中東から目を背けている世界中の人々にも見える、そんな映画でした. 日本ではほぼ劇場スルー状態でのDVD化となってしまいましたが、金獅子賞を受賞していながら、こういう映画がほぼ劇場スルー状態になるこの国もまたあのひまわりと同じ. PS Vita版『蝶の毒 華の鎖~大正艶 平和ボケしている世界の一員なんでしょうね. 深夜らじお@の映画館 はこういう映画がほぼ劇場スルー状態になることを淋しく感じます. ※お知らせとお願い ■ 【元町映画館】 に行こう.

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